前回は吉備高原都市住区の新築住宅にお住まいのご家族のお話を伺いましたので、今回は吉備中央町の住み方のもう一つの選択方法、古民家を自分達でリノベーションするお宅のお話を伺ってきました!
上竹にある竹谷邸は、築約100年の立派なお家。本宅の他に離れが二棟もあり、かなりな豪邸っぷりです。
外観の立派さもさることながら、お家の中のきらりとセンスの光るおしゃれな内装に、「こんなお家に住んでみたーーーい!」となること請け合いのステキなお家です。
筆者(以下、筆):見れば見るほど、ほんとにステキなお家ですねー! まず、吉備中央町に移住して来られたきっかけをお伺いできますか?
竹谷さん(以下、竹):他県もいろいろ見てまわったんですが、山か海の選択みたいな感じで……山は山でも他の所の山は近いというか、迫ってる感じがしたんですけど、吉備中央町の山はそんな圧迫感がなくて広々としてるところがとても気に入りました。あと、嫁の実家が広島で、僕が大阪なので、中間くらいというのとか、そんな複合的な感じで決めました。
筆:なるほど。はじめから、自分達でリノベーションするつもりで移住して来たのですか?
竹:いえいえ、もちろん憧れはありましたが僕はドライバーも使えないくらいのド素人でしたので、はじめはそんなつもりは全然ありませんでした。
筆:えっ?! まったくのド素人からここまでって、それはすごいですね!! 今から吉備中央町に越して来られる方の希望になるお話ですね。 そんなド素人からここに至るまで、こちらに来てから少しづつ学んでいったって感じなんでしょうか?
竹:はい、そうですね。 吉備中央町に来てはじめに住んだ家は賃貸でしたので大家さんから「触ってくれるな」と言われていて、それが逆に “やりたい” 気持ちをかき立てたのと、こちらに来てから友達のリノベーションを見たり、手伝ったりする内に少しづつわかってきて、更に “やりたい” 熱が燃え盛っていって。丁度、前の家を出ないといけなかったので今度は購入できる家を探して、リノベーションしながらいろいろ調べたりして学んだ感じです。
筆:そんな“やりたい” 熱が燃え盛ってからのセルフリノベーションは、やってみて楽しかったですか?
竹:そうですね。もちろん、しんどかったですが、やりたかったことなので終始楽しかったです。 しかも、一番しんどいところから……床下の片付けとか、屋根裏の掃除とか、おそらく一般的にセルフリノベーションしたいと言ってる人達でもできれば業者にまかせたいと思っているような一番しんどいところからはじまっているので、右肩上がりに楽しくなっていった感じですね。 全部、ほぼ一人でやったので、家に対しての愛着も強くなりましたし。
筆:一番苦労したところは、どこですか?
竹:苦労…う~ん…。今、YouTube とかインターネットでだいたいやり方とかは出てるのでやり方はわかったんですが、それ以外のところ。例えば、レンジフードを取り付けること自体はとても簡単にできたんですが、配管の口径が(古いので)市販のもので合うのがなくて、「大きいのか小さいのか、これどうしたら?」ってなった時に誰も教えてくれる人がいなかったので、その選択が難しかったです。 今なら経験したのでわかるんですけど、その時は全然わからなくて、すごい時間と手間がかかったりしましたね。
竹:今、もしも、また自分でリフォームするとなったら、信頼できる大工さんに相談しながらするのがすごくいいなと思います。 僕は正解かどうかわからずにひたすら調べて試行錯誤しながら一人でやったので。 でも、失敗例も成功例も含めて知識として入ったから、それは最終的には良かったと思っています。
筆:まったく全部一人でされたんですか?
竹:床下の時に、友達が一日だけ手伝いに来てくれましたけど、それ以外は全部自分一人でやりました。 というか、自分一人でやりたかったんですよね。(笑) でも、はじめから全部自分でやったので、家の状態をすべて把握しているので今後何かあった時にすぐに対応できるし、他の人に話す時に「これはこうやったよ」って実験的な成果としておすすめしたりダメだししたりできるので、それは良かったなと思いますね。
筆:ところで、この本、すごいですね!! 作られたんですか?
竹:はい。バラバラした写真やデータだと絶対失くしてしまうと思って、本にまとめました。 友達が来た時もこれを見てもらうと経緯の話も早いので、結構便利です。(笑)
筆:なるほと。きっと、売ってほしい人がたくさんいると思いますよ。(笑)今、離れのリノベーションに取りかかられていますが、何かお店をされると伺っていますが?
竹:アフリカなどから買ってきたものがあるので、民族的なショップにしようかと思っているのですが、今や “家の修理” が趣味となってしまったので、いつできるとか、先行きは全然定まっていません。 でも、いつかはショップや、楽器を教える教室などに使えるようになればいいなと思っています。
※竹谷さんは、アフリカの民族楽器ムビラや、アボリジニの民族楽器ディジュリドゥなどの民族音楽アーティストです。
筆:それはすごく楽しみです! なるべく早くオープンしてもらえることを、一ファンとして祈っています。
貴重なお話を、ありがとうございました!
家全体のセルフリノベーションはなかなか敷居が高いですが、一部の修繕方法だとか、ちょっとしたところの使い方だとか、とても参考になりますね。
セルフリノベーションを楽しむ生き方も、田舎ならでは。そんな、ゆるい田舎生活を、あなたも始めてみませんか?
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