「なんでこんなとこに来たん?」
私がこの町に越してきて、ほとんどの人に言われた言葉。「なにもないところ」というのがこの町に住む諸先輩方の認識のようなので、大都会からなぜわざわざこんな「なんにもない」ところに来たのか不思議でしょうがない、といった気持からのお言葉なのでしょう。
そう、吉備中央町は一見なんにもない! 有名な観光地があるわけでもなし、便利な商業施設があるわけでもなし。都会では徒歩10分圏内に2~3軒はあるコンビニだって町内には数軒しかなく、それすら車で何分もかけて行くしかないし。
夜、急に「ご飯を食べに行こう!」となっても、町内で開いているお店は数軒だし(しかも、早くいかないと閉まっちゃう!)。世間一般の目線では本当になんにもないところなので、諸先輩方がそのようにおっしゃるお気持ちもわからなくもないのです。
んがしかしっ!
私からすると、この町には「来てよかったな」と思える魅力がいっぱいある!それは、外から来た私たちだからこそ「見える」ものだと思うのです。そんな私たちが良いところも悪いところも含めて、「この町のこと」を私たち目線で正直にお伝えしていきたいと思いますので、参考にしていただければ幸いです。そして、この町に来て私たちの仲間になっていただければ、尚うれしいです。
なんにもないけど、いっぱいある!
ずっとあると見慣れてしまって「あること」すら意識しなくなるように、この町に代々お住まいの諸先輩方は「なにもない」とおっしゃいますが、私の独断と偏見による「吉備中央町のあり余るステキなとこ」を皆さまにご紹介しましょう!
吉備中央町の魅力 その1-里山
私がこの町でまず惹かれたのは、風景。まるで『日本昔話』に出てきそうな里山の情景はノスタルジックそのものですし、山がピンクや新緑、赤、白に染まる四季折々の光景も本当に美しくて、心が洗われるようです。
この町に来て知ったのですが、田んぼって田植えが終わった頃の青々しい時も、米が実って黄金色に輝く時も本当にきれいで、ずっといつまでも見惚れてしまいそうになります。
昨年までのメガソーラー乱立により美観が少し損なわれた感はありますが、まだまだ美しい里山の光景が広がる、美しい町なのです。こんな美しい光景に囲まれて毎日暮らすことができて、なんてステキなんだろう!って、移住6年目の今だに思います。
吉備中央町の魅力 その2-空
「智恵子は東京に空が無いという」と高村光太郎先生は書かれていますが、吉備中央町には空がいっぱいあります。山中に家があるところも多いので、場所によっては広い空ではないかもしれませんが、その澄んだ青空はまぶしいくらいです。
また、星空も格別で、私はこの町に来て「星ってこんなにいっぱいあるんだ!!」と知り、感動したほど。「空が無い」都会にいた方も、きっとこの星降るような夜空に心を奪われることでしょう。
ちなみに、吉備中央町には町営の、宿泊できる天文観測施設「GALILEO」があります。只今は新型コロナウイルス感染拡大防止のため休止中ですが、また再開されたならば是非訪れてみてほしい場所です。
吉備中央町の魅力 その3-野生動物
この町のご紹介で忘れてならないのは、この町に共生する野生の動物達でしょうか。猪や鹿、猿、タヌキ、キツネ、ハクビシン、アナグマ、野ウサギ、野ネズミ、それにネズミを大きくしたヌートリアなんてのもいます。
初めてキツネを間近でみた時は、「キツネって北海道以外にもいるんだ!」とビックリ。まぁ、よくよく考えると「ごんぎつね」なんて昔話もあるぐらいなので、当たり前のことなのですが……。
動物だけでなく、昆虫の生息も豊かです。夏にはカブトムシやクワガタ、オニヤンマなど、都会ではデパートでしかお目にかかれないような昆虫がたくさんいます。季節になると蛍も観ることができます。
もちろん、子供達に人気の昆虫だけではなく、カメムシやムカデ、ゲジゲジなど、あまりお目にかかりたくない輩もいますが、都会で忌み嫌われるGはあまり見ることはありません。私が越してきた5年の間で、出会ったのは片手ぐらいです。もちろんいるにはいるのですが、アシダカ軍曹などの益虫も多いので、きっと食べられてしまうんでしょうね。
あと、吉備中央町のゆるキャラ「へそっぴー」のモデルにもなっている、ブッポウソウという非常にレアな渡り鳥も毎年飛来します。
野生動物王国、吉備中央町です。
吉備中央町の魅力 その4-コミニティ
私は友人が先に移住していたので不安はありませんでしたが、やはり知らない土地に移住するのはとても勇気がいることですよね。しかも、初めての田舎暮らしであれば尚のこと。
でも、大丈夫!安心してください。
imakibiのメンバーをはじめ、今、吉備中央町に暮らす移住者はたくさんいますから、不安なことがあれば相談に乗ることができます。もちろん、移住者同士でかたまる必要はまったくありませんが、ニュアンスが伝わりやすいのは確かかと。
いろんなタイプの人がいるので、「私の時はこうだった」って話が聞けたり、前例がないことなのであれば、みんなで一緒に考えることができるでしょう。
吉備中央町の魅力 その5-人
一番重要なところが最後になりましたが、やはり、何事もコレですよね!
この町の先住の方々は、本当にいい人が多いです。「草刈をやったことがない」と言えば、しっかりやり方をレクチャーしてくれた上に小道具なんかをくれたり、「草刈り機の歯を研いじゃるけん、毎回持っておいで」とか言ってくれたり。
畑で獲れた野菜をたくさんいただくのは毎度のことで、祭りだと言えばお祝いのサバ寿司、巻き寿司、赤飯なんかをわざわざウチの分まで作ってくれたり、餅をついたといえば持って来てくれたり。
第二のお父さん、お母さんのように色々と気遣ってくれて、本当にありがたいことこの上なしです。
もちろん「そうでない」人…「よそ者」扱いで、挨拶も返してくれないような人もいるにはいます。でもそれは、都会でも隣の人が挨拶をしてくれなかったり、「子供の声がウルサイから外で遊ばせるな!」とか言う人がいるように、この町だけでなく全国的にどこにでもいる人だと思うのです。
しかし、例え態度が冷たかったり口を聞いてくれない人であったとしても、嫌がらせをしてくるような陰湿な人はほとんどいません。距離感が遠いだけで「ほっておいてもらえている」と考えれば何の問題もなく過ごせますし、そもそもそんな人は全体の1割にも満たないくらいです。
多くの先住の方々には、田舎暮らしのシステムや礼儀をまったく知らない都会からきた私たちを、温かく受け入れてもらっています。本当にありがたく、感謝の気持ちでいっぱいです。
これからの町づくり
この町にも田舎にありがちな保守的な面があることは否めませんが、「何か面白いことをしたい」という移住者達も増え、更に、町の繁栄のために「みんなで何かできたら」と地元の方々が声を上げてくれるなど、この町がこれからどんどん面白くなっていく予感がありありです。
自然豊かな「ど田舎」ではありますが、岡山県の真ん中に位置するため、県内の他地域のどこに行くにもだいたい1時間前後で行くことができるというのも利点だと思っています。
今回のCOV19騒動をかわきりに、楽しい田舎暮らし、ひいてはわくわくする町づくりがこれからのトレンドとなることでしょうから、その最先端である吉備中央町暮らしは非常におすすめです。
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